ライター・編集者の中にもいくつかの役割を持つ人がいて、それぞれだいたい3つくらいに分類できるだろうという話をした w/ いろんな人。1) コンテンツを作る人、2) コンテンツを配信する人、3) コンテンツを届ける人。
2) は主にはSNSやプラフォ側にどのように配信し、読み手との接点をどう最大化するかということを担う人をイメージする。3) はどちらかというとプラフォ側の人間だ。自分もスマートニュースでは主にそのような役割を担っているだろう。
2) は現状のメディア環境下ではかなりのパフォーマンスを発揮できる(=数字を直接的に上げられる)役割の一つであろうとは思うが、突き詰めたところで、それはそれで渋い。
古くはヤフトピ関連リンクを最適化する職人であったろうし、今ではLINEやスマートニュースに配信する際にタイミングや見出しをこねくり回す人を指すであろうが、その未来がどこにつながっているかを考えるとそう明るいことは考えづらい。
そのスキルセットはもちろん有用ではあるが、「それだけ」だとなかなかつらいと。まあそれはそうだ。1) - 3) で得られるスキルセット、マインドセットを広く保有していないと難しい時代だろう。
一方、メディアにおけるPdMの不在というのも嘆かわしい。1) - 3) をある程度理解していて、いわゆるPdMとして担える人材というのは今、どこにいるのか?
「それって、紙では雑誌編集長はそうだったかもしれませんね」と、誰かが言った。
そうかもしれない。
あるプロダクトにおける責任者として、売上(発行部数)を見つつ、その製品(雑誌/書籍)がどのようなフロー / 素材 / 工数で生み出されるのかを把握し、読み手に対して魅力的な製品を作り上げる。もちろん「魅力的な」とは製品そのものを指し、コンテンツのクオリティ管理や配信にも責任を持つ。
大手出版社では分業されている部分もあるだろうが、大まかには現代におけるPdMのような役割を雑誌編集長 / 編集者は担っていたのではないかと。
なるほど。
そう考えると編集者は――Engineerとしてのバックグラウンドがどの程度あるのかは別として――「それがどのように作られているのか」は一定程度は把握している必要があるはずだ。ボロボロの紙で、テキトーなダンボール工場で雑誌を作る編集者がいるか? それはそれで面白いかもしれないが。
みんながXcodeを使ってiOSアプリを作れるようになる必要はない。ただ、そこにはどのような技術があって、何を作ることができて、何を作るのが難しいのか。データベースとは何で、自社が今どのような構造のものを抱えていて、それを用いて何が検証できるのか。もっと言うと、誰にどう頼むとどんなものができるのか。
中には、もともと編集者が得意としていたものもあるだろう。今から学習するのは大変かもしれない。まあでもそんなもんじゃないですか。分からないなりにInDesignをがんばっていじったり、ドメインを取得してWordpressをなんとなくインストールしてみたりしてきたわけじゃないですか。
というわけで最近はiOSアプリを作ってみようと、Xcodeをせっせと立ち上げています。いつだってDay 1。明日もがんばろう。